【中学受験】平面図形の補助線 | 引き方はこの4パターンだけ!

算数解説

中学受験の算数で避けて通れない平面図形の問題。

面積や角度、長さの比など、問題の種類は本当に幅広いですが、中には補助線を引かないと解けないような難しい問題もあります。

  • 「初めて見る問題だと、補助線をどう引けばいいかわからない」
  • 「いつも間違った補助線を引いてしまう…」

というお悩みを抱えていらっしゃる方も多いでしょう。

しかし、実は補助線には4種類しかありません…!

この4種類を覚えておけば、中学受験のどんな問題にも対応できます!

そこで本記事では、

平面図形の補助線の引き方4パターンをご紹介します!

 

 

補助線 | 4種類の引き方

結論から言いますと、中学受験で使う補助線の引き方はこの4種類のみです。

  1. 頂点を結ぶ
  2. 辺と平行・垂直な線を引く
  3. 延長する
  4. 円orおうぎ形の中心から弧に向けて引く

一つづつ解説していきます。

 

【1】頂点を結ぶ

最も定番の補助線の引き方はこの頂点と頂点を結ぶ方法です。

問題を解く際、ほとんどの小学生が一番最初にこれを試します。

例えばこのような問題が出題されたとしましょう。

例題1

以下の図形のXの角度を求めてください。

この問題は頂点をつなぐ補助線を引くと、初見でも簡単に解くことができます。

頂点と頂点をつなぐと角〇+角●の合計が86°になります。 ※180-(45+24+25)

X+〇+●=180°

〇+●=86°

X=180-(〇+●)より、Xは94°とわかります。

これが「頂点を結ぶ」補助線の引き方です。

 

【2】辺と平行・垂直な線を引く

次によく使う補助線の引き方は辺に対して平行・垂直な補助線を引く方法です。

平行な補助線は面積比や相似比の問題で、垂直な補助線は面積の問題でよく使います。

例えばこのような問題が出題されたとしましょう。

例題2

下の図は、台形の内側に上底・下底と平行な線分PQを引いたものです。PQの長さは何cmでしょうか。

この問題は平行な補助線を引く定番問題ですので、覚えてしまっても良いでしょう。

まず、台形の右側の辺と平行な補助線を以下の図のように台形の内側にひきます。

すると、相似な三角形が現れるので、PQの長さは

4cm×3/8+6cm = 7.5cm

と、簡単に求められます。

これが「辺と平行・垂直な線を引く」補助線の引き方です。

 

【3】延長する

3つ目は、辺を延長して補助線にする引き方です。

この補助線の引き方は、相似比を求める問題でよく使います。

例えばこのような問題が出題されたとしましょう。

例題3

平行四辺形ABCDの辺ABを2:1に分ける点をE、辺BCを3:1に分ける点をFとするとき、EG:GDを求めてください。

こちらは相似の超ド定番問題ですので、覚えてしまってもいいくらいです。

補助線はAFとDCを延長して引きます

補助線の交点をHとすると、三角形AEGと三角形HDGが相似であるため、EG:GD=EA:HDとなります。

また、三角形BAFと三角形CHFは相似であるため、BA:CH=BF:CF=3:1です。

EG:GD=EA:DH=3:(1+3)=3:4となります。

これが「延長する」補助線の引き方です。

 

【4】円orおうぎ形の中心から弧に向けて引く

4つ目は、円やおうぎ形の中心から弧に向けて補助線を引く方法です。

円やおうぎ形に内接する図形の面積を求める際によく使います。

例えばこのような問題が出題されたとしましょう。

例題4

以下は半径4cm・中心角90度のおうぎ形です。点Mがおうぎ形の弧を2等分する点である時、青く色のついた部分の面積を求めてください。

この場合、おうぎ形の中心から点Mに補助線を引くと、青い部分は

  • 半径4cm / 中心角45°のおうぎ形
  • 対角線の長さが4cmの正方形を対角線で半分に切った三角形

に分けることができます。

どちらも面積の公式がある図形であるため、青い部分の面積は

4×4×3.14×1/8+4×4÷2÷2=10.28㎠だと求められます。

以上が「円orおうぎ形の中心から弧に向けて引く」補助線の引き方です。

なお、面積を求める際に補助線で図形を分割する解法は、こちらの記事でも解説しておりますので、あわせてご覧ください。

 

 

番外編 | 補助線を引く問題の注意点

ここまで、補助線の引き方を4つご紹介しましたが、補助線を引く問題には注意点が3つあります。

1つ目は補助線の引き方は1通りではない、ということです。

問題集やテストの回答を見ると解法が1つしか載っていないことがおおいため、それしか解法がないかのように思うこともあるかもしれませんが、補助線の引き方は何通りもあります

2つ目ですが、平面図形の問題を解く際は実際に作図をして補助線を引いてみましょう

頭の中だけでは、どうしても図形をイメージできませんし、何より情報量が多すぎて見落とす条件が出てきます。普段の学習から実際に作図をして、補助線を引く習慣をつけていきましょう

3つ目は、初めて見る問題で補助線を引けるか引けないかは“運”に近い、ということです。これが一番重要なポイントと言っても過言ではありません。

初めて見る問題でどこにどう補助線を引くか、その補助線を時間内に思いつけるかは、正直その時の運次第といえます。もちろん、4つのパターンを紹介しましたが、ひらめくかひらめかないかはその時次第ですので、試験で仮に補助線の引き方がわからなかったとしても気にしすぎる必要はありません

 

まとめ

本記事では、中学受験で使う補助線の4つのパターンをご紹介しました。

  1. 頂点を結ぶ
  2. 辺と平行・垂直な線を引く
  3. 延長する
  4. 円orおうぎ形の中心から弧に向けて引く

中学受験で使う補助線はこの4つしかありませんので、ぜひ覚えてしまいましょう!

 

また、補助線に関しては以下の3つの点も頭に入れておいてください。

  1. 補助線の引き方は1通りではない
  2. 実際に作図をして補助線を引く
  3. 初見の問題で補助線を引けるかは“運”に近い

以上です!

最後までご覧いただきありがとうございました!

皆さんの中学受験がステキな経験になりますように。

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