【要注意】中学受験を終えた親がハマる罠

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中学受験を乗り越え、お子さんの新生活が始まると、入学式やオリエンテーション、学校によっては宿泊学習もあり、イベントが盛りだくさんです。

入学した学校で楽しそうに過ごすお子さんを見ると、「大変だったけど中学受験頑張ってよかったな」と感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

ただ、中学受験という最大級の試験を乗り越えて、ホッとするのもつかの間。

中学に入るといきなり、学力確認テストクラス分けテスト、数か月しないうちに中間試験・中間考査といった成績に直結する試験がやってきます。

すると保護者の方の中には

  • 試験が多いのに子供は家で全然勉強していないなあ
  • 定期試験でいきなり赤点とってきた…
  • テスト直しもせずに遊んでばっかり

といったモヤモヤを感じる方も出てくることでしょう。

しかし、そんな不安をお持ちの方は要注意です。

ある罠にはまる可能性が非常に高いです…!

その罠からなかなか抜け出せないでいると、後になって後悔する可能性が非常に高いです…!!

そこで、本記事では中学受験を終えた保護者の方がはまりがちな罠とその弊害、そんな罠にはまらないために考えるべきことを3つご紹介します。

 

中学受験後の最大の罠

結論から言うと、中学受験を終えた保護者がハマりがちな最大の罠は

いつまでも子供の学習管理をやめられない

ということです。

詳しく説明しましょう。

中学受験の代償

そもそも、中学受験は「親の受験」と言われるほど、親御さんのやることが多い受験です。

日々の送り迎えやお弁当の準備はもちろん、塾のテキスト・プリントの管理、学習の進捗確認や苦手単元の把握、授業日程や試験日といったスケジュール管理まで、本当に多くのことを親がやらねばなりません。

これは小学生の発育レベル上、仕方のないことです。

ただ

そういった教材の管理や成績のモニタリング、日常の勉強習慣などの「学習管理」をお子さんが中学生になった後もやめられない親御さんが非常に多いです。

特に

中学受験でお子さんの学習を熱心に見て合格を勝ち取っている保護者の方ほど、その学習管理を中学入学後もやめられない傾向にあります

これが最大の罠です。

 

学習管理の弊害

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とはいえ

  • 子供が勉強していないのだから、親がやらせないとダメではないか
  • テストで点をとれていないのだから、親が口を出すのは仕方がない

とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

確かにお気持ちはわかります。

本屋やネット上に“お勉強”ができる優秀な学生の“勉強メソッド”が山ほどあったり

「勉強しないと○○」「いい大学に行かないと…」といった不安をあおる記事がいくつも目に触れたり

または、保護者同士の会話の中で他の家庭のお子さんの素晴らしい学習習慣を聞いたりするでしょう。

そういった情報に触れるほど

  • 「うちの子は勉強しなくて大丈夫か」
  • 「勉強しないと子供の未来は悲惨なものになるんじゃないか」
  • 「あのご家庭の子はあんなにやってるのに」

と不安が掻き立てられてしまうのは仕方のないことです。

だからといって

親がいつまでも学習管理をすることには弊害があります。

さらに言うと

その弊害はお子さんが背負うことになるものです。

場合によっては一生尾を引きます。

ここでは親の学習管理の弊害をご紹介しましょう。

弊害1:子供の自己決定の喪失

親が子供の学習管理をする最大の弊害は、自己決定の機会の喪失です。

文字通り、お子さんが自分で物事を決める機会を奪ってしまうのです。

そもそも、中学生になると小学生の時とは比べ物にならないほど自我が発達します。

この時重要になるのが、自己決定です。

自分で決めたことを自分が思うようにやって自分なりにやった結果をもって、決断力のみならず自己効力感(「私ならできる」という感覚)や自己有用感(「私には私の価値がある」という感覚)を培います。

しかし、親がいつまでも管理をして、お子さんの自己決定の機会を奪うとどうでしょう。

そもそも自己決定の機会を与えられないのですから、自己決定感どころか自己効力感も自己有用感も培われません。

確かに親が学習管理をすることで、“お勉強”はできるようになるかもしれませんが

自分では決められず、「自分ならできる」という自信もなく、「自分は自分でいい」という感覚も持ち合わせていない人間になりはしませんか

子供に“お勉強しかできない人”になって欲しい親はいないはずです。

学習管理による自己決定機会の喪失は非常に大きな弊害と言えます。

弊害2:学習塾の格好のカモ

親がいつまでも子供の学習管理をする2つ目の弊害は“塾のカモ”になり得ることです。

そもそも、親がいつまでも子供の学習管理をやめられないのは前述のとおり、不安感情がぬぐえないことが原因ですが、その不安感情に付け込んで学習塾は甘い言葉で誘惑してきます

  • 「一度遅れると取り戻すのは難しいです」
  • 「高校に上がると、中学でついた差は埋まりません」
  • 「中学の早めの時期から始めるのが大事ですよ」

といった売り込みは、塾の十八番です。

※余談ですが、中学受験の時に通っていた塾に中高生向けブランドが併設されていると、中1の最初の定期試験が終わったタイミングで、「中学生になって学習のご様子いかがですか?」といった具合の勧誘の電話が塾からかかってきます。

しかし、お子さんの勉強習慣や成績の管理に悩んでいるタイミングで、塾からこういった営業を受けると、「体験だけでも行ってみようかな」と考えてしまうでしょう。

言い方は悪いですが、学習管理をやめられない親御さんは、学習塾からしたらまさに“カモ”です

しかし、よく考えてみてください。

  • 不安になっているのは保護者のあなただけではないですか?
  • お子さんは納得して自ら塾に通いますか?
  • 中学受験までたくさん塾に通ったのに、また塾に通うのですか?

確かに、お金を払うのは保護者の皆さんでしょう。

しかし、塾に通うのは、人生の大切な時間を塾に使うのはお子さんです

親の不安心理が原因で、お子さんの青春の貴重な時間が塾に投下されるのは、すごくもったいないことです。

その時間があれば、お子さんは友達と遠くに出かけられたかもしれません。

仲間内のケンカができたかもしれません。

好きな人と二人で遊んで、思いを告げられたかもしれません。

全て青春の大切な経験です。何にも代えがたい価値を持つものです。

しかし、親の不安心理が原因で、価値ある青春の時間を塾に奪われてしまうのはすごくもったいない

ストレートに言えば、「学習管理をやめられない親は塾にお金をとられ、青春真っ盛りの子供は塾に時間を奪われる」というお話です。

これは大きな弊害と言えるでしょう。

 

考えてほしい3つのこと

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ここまで、「学習管理をいつまでも続けてしまう」という罠についてお話しました。

とはいえ、全ての親御さんがお子さんの幸せを願っており、この罠の弊害を被りたくないはずです。

そこで、そんな罠にはまらないためにぜひ考えてほしいことを3つご紹介します。

中学受験をした目的は何か

第一に、中学受験をした目的を思い出してみましょう

保護者の方は、少なくとも一回「中学受験をすれば、高校受験をせずのびのび過ごせるな」ということを考えたことがあるはずです。

もちろん、そのためだけに受験した人は少ないでしょうが、それでも高校受験をせずにのびのび中高6年間を過ごすことができるのは、中学受験の非常に大きなメリットと言えます。

いずれにせよ、子供に6年間の幸せな学生生活を送って欲しい、という目的があったはずです

しかし、中学受験が終わってからも親が子供の学習管理をしていてはいかがでしょうか?

中高一貫校の大きな魅力を殺してしまってはいませんか?

その学習管理は学生生活の幸せにつながっていますか?

ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

いつ子供の手を放すのか

2つ目は、「いつ子供の手を放すのか」ということです。

当たり前ですが、「死ぬまで子供の面倒を見るつもり」という親はほぼいないはずです。

それはつまり、「親には、いつか子供から手も目も離す日が来る」ということです。

もちろん、自分が育ててきた子供から手を放すことはさみしいことだとは思いますが、子供には子供の人生があります。

だからこそ、いつまでもお子さんを管理をしていてはいけないはずです。

  • 手を離せば失敗するかも
  • 目を離したら何をするかわからない

といった不安もあるかもしれません。

しかし

  • それではお子さんはいつ自立するのでしょうか?
  • いつ大人になるのでしょうか?

もちろん最初は失敗もしますし、管理をやめた直後は間違いを犯すことだってあります。

しかし、人生の早い段階で失敗し、間違いを犯して、その経験から学んだ方が人生は豊かになるはずです

だからこそ、「子供の勉強が心配」「学習管理したくなってしまう」という方はぜひ一度、「いつかは手を放すんだ」と考えてみてはいかがでしょうか。

子供の人生は誰のものか

3つ目は「子供の人生は誰のものなのか」ということです。

これは2つ目の「いつかは手を放す」とも重複していますが、子供には自分の人生を自分で決める権利があります

もちろん、親がたくさんの想いと時間を注いで育てた子供ですから、そのあまり何かを子供に求めてしまうのは仕方がありません。人間心理の宿命です。

しかし

子供は親の期待に応えるために生きているのではありません。

家族の要望に応えるための人生ではありません。

自分なりの幸せを追求するために生きています。

少なくとも自分の道を自分で決める権利があります。

人によって大きく価値観が異なる部分かもしれませんが、ぜひこうした親子観について考えてみてください。

 

まとめ

本記事では、中学受験を終えた保護者の方がはまりがちな罠とその弊害、そんな罠にはまらないために考えるべきことを3つご紹介しました。

まとめると以下の通りです。

罠と弊害

【最大の罠】

いつまでも子供の学習管理をやめられないこと

【弊害】

  • 自己決定の機会の喪失
  • 学習塾の格好のカモになること
考えるべきこと
  1. 中学受験をした目的は何か
  2. いつ子供の手を離すのか
  3. 子供の人生は誰のものか

 

何かとお子さんの勉強に関して、不安になってしまう親御さんの気持ちはわかります。

しかし、不安にのまれてはいけません。

中学受験を乗り越えた経験のあるお子さんは強く賢いです。

心配の必要はありません。

今回は以上です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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